鳥居峠(旧街道)の踏査

目的:本峠はかって奥会津地方と会津若松を結ぶ最短ルートとして藩政時代から明治中頃まで生活物資や産物の輸送路として栄えた峠である。
その面影を訪ねるダイエツ健康ウォークを企画するための事前調査である。
国道401号町村境界
氏名 技術顧問 山岸 俊男
次  長 渡部 貴史
課長補佐 遠藤 秀紀
日時 平成30年5月15日(火)9:00~18:00
内容 ルート概要は下記の通りである。

峠越えの踏査にあたり、事前に車を下山地点(昭和村)に置いて、新鳥居峠を迂回して出発地点(南会津町)へ向かった。登山口は標高約800mに位置する高清水高原である。その入り口まで車で行けることから鳥居峠には容易に到達でき、後は下りにて昭和村へ到達できるものと想定していた。

そのようなことから、比較的容易なハイキングルートとして、社員の健康増進、リフレッシュの機会にすべく踏査を実施した。

この計画は連休明けの5月8日に予定したが、雨天で11日に延期したが、当日も雨で再度、延期して15日に実行した。
本社を9時に出発、途中にて昼食を調達して、博士峠を越えて、昭和村で遠藤氏と合流して出発地点へと向かった。
天候も三度目の正直で、すこぶる快適な五月風がそよぐ絶好の天気に恵まれた。
高清水入口 この先に事務所がある
高清水は、国道401号から分岐してヘアピンカーブを何度も繰り返して標高800mの高清水にようやく到着する。
公園の看板は市町村合併前の南郷村当時に設置された案内板である。管理人を訪ね入山挨拶を兼ねて鳥居峠のルートを確認した。
その時の話は、ここは山菜の宝庫で以前山菜採りの方が余りにも夢中になり昭和村側へ迷い込みヘリコプターの出動騒ぎになったが、発見されなかったこと。
町の入山カードに記入してから登山したら・・・との話があった。
高清水公園の案内図
目的が山菜採りではないことから町への連絡を省略して、教わったカモシカの道を約1時間弱上り鳥居峠へ分かれる付近に到着した。地図上ではこの付近から峠に出ることになるが、案内は全くない。そのため、渡部氏がルート探しの探索隊として探しに出る。
10分ほどで戻ってくる。峠道らしきものがあるとのこと。12時近いことから少し早い昼食後に出発することになった。
カモシカの道
カモシカの道はところどころ階段式
昼食後のコーヒーを飲み終え出発
カモシカの道を外れてからは、道はなく峠の鞍部を目指して目の前の枝木を払い除け、乗り越え4~5分でたどり着いた。すると昭和村側には、写真に見るように幅約1mの道らしき面影を残している峠道がある。
しかしその行く手は、倒木や路肩崩壊で荒れ放題である。利用されない山道とは、予想していなかったので社員ウォークの候補から外さざるをえないことが分かった。
峠道らしき形跡が残る

歴史ある旧街道であり地域の貴重な宝(財産)がこのように埋もれているとは、予想外であり、誠にもったいないことでもある。地域の観光資源としてイザベラバードが馬で踏破しとされる街道であり、今後の活用が期待される。

今回の踏査は、鳥居峠ルート踏査がもう一つの目的であり、ルート確認の意味を含めて予定通り昭和村の玉川中流部への下山を開始した。しかし峠道らしき道がところどころ斜面崩壊や草木が繁茂してかき消されており、前に進む事が困難となり何回か渡部氏が先道を探しに出ることとなった。

峠から約1km近くを悪戦苦闘しながら進むと祠を発見、見ると半ば崩れかかっており、屋根部がわずかにその面影を残している。
おそらくここが、カワト沼を経由して玉川下流部へ出るルートと我々が向かう玉川中流部へ出る分岐点と想定される。
ここで小休止した後、再び渡部氏の出番である。しばらく先遣隊としてルートを探したが、50年以上も利用されない峠道を探索することが難しく、時間も午後3時近くになることから、中止して引き返へすことした。
崩れかかった祠

道なき道を進んできたため、道探しに同じ時間を要するところであるが、渡部氏は前進するにあたり、行く手が不明になると赤いリボンを枝に結び目印としてきたことから戻りの時間は前進の半分近い時間で出発点に戻ることができた。さすが登山家のプロでもある。

彼は高校、大学と登山部に所属し装備品はじめルートの事前調査を航空写真などから情報を入れており、現場では地形図と現地の地形照合、ときどき斜面に露出した岩質判定など情報収集に余念がなく細部にわたる調査をしながら踏査していた。

その様子は、見習うべき姿である。驚いたことは、溶結凝灰岩の形成過程を解説したことである。これは斎藤氏の指導と自らの学習がなければ、ここまで語ることはできない。地質学の面白さは、人間が存在しない遠い過去の地球を想像し、時代を想像し、形成過程を想像することにより語ることが出来るのである。

皆様に想像し知ることの楽しさを分かっていただきたいと思うばかりです。

C.G