2026年5月17日、多くの映画ファンに親しまれてきた劇場が
33年にわたる歴史を閉じました。
神奈川県海老名市にあった「イオンシネマ海老名」です。
「イオンシネマ」と聞くと、全国各地にある映画館チェーンの一つ
という印象を持つ方も多いかもしれません。
しかしこの劇場は、1993年4月24日に
「ワーナー・マイカル・シネマズ海老名」として開業した
日本初のシネマコンプレックスとして知られる特別な映画館でした。
それまでの映画館は、駅前や繁華街などに立地する、単館型の劇場が主流で
現在のように一つの施設の中に複数のスクリーンが並び、
複数の作品を同時に上映するスタイルは一般的ではありませんでした。
会津でも、15年ほど前までは、こうした昔ながらの映画館が残っていたことを
覚えている方もいるのではないでしょうか。
今では、大型商業施設に併設された映画館で
買い物や食事、映画鑑賞を一度に楽しむことが当たり前になっていますが
当時のシネマコンプレックスという業態は、映画館のあり方を大きく変える
非常に革新的な存在だったのだと思います。
なかでも、イオンシネマ海老名を象徴する存在だったのが、7番スクリーンです。
映画ファンの間では「エビナナ」の愛称で親しまれてきました。
この7番スクリーンは、映画監督ジョージ・ルーカスにゆかりのある
音響・映像品質の認証規格「THX」の認証を受けており、
「スター・ウォーズの聖地」としても知られてきました。
閉館にあたっては、「スター・ウォーズ」シリーズ全作品を
THXシアターで上映するクロージングイベントも行われました。

先日、私もこの劇場を訪れ、現在話題のアニメ映画
『超かぐや姫!』を鑑賞してきました。
実際に7番スクリーンで鑑賞してみると、スピーカーから伝わる音圧や
重低音の迫力に圧倒されました。
特にライブパートでは、会場の中にいるような臨場感があり
重低音がしっかり響く一方で、中高音域も明瞭で
音の迫力と聴きやすさが両立していたのが印象的でした。
私自身、さまざまな映画館を訪れ、各スクリーンの上映環境を体験することが
好きなのですが、その中でもTHX認証のスクリーンは特に好みの上映環境で
作品そのものを楽しむだけでなく、「どのスクリーンで観るか」によって
映画体験が大きく変わることを、改めて感じさせてくれました。
日本のシネマコンプレックス文化の先駆けともいえる映画館が
なくなってしまうのは寂しいですが、それでも最後にエビナナで
映画を楽しむことができたことは忘れられない思い出になりました。

D.G