先日、信州まで足を延ばし、昨年開業したイオンモール須坂に行ってみました。
最新鋭のショッピングモールということもあり、館内は非常に多くの人でにぎわっていました。
その中で、通路を歩いているとモールの通路を横断するように引かれた二本の線を見つけました。
気になって線の意味を追ってみると、 そこには答えがありました。


イオンモール須坂の地下には暗渠化された権五郎川が流れており
館内には流路を示すラインと、川の存在を伝える看板が設置されていたのです。
普段なら見過ごしてしまいそうな小さな仕掛けですが、位置が明示されていることで
歩いているだけで「この土地の下には今も川が流れている」のだと意識させられました。
さらに三階の北信テラスまで足を運び、施設北側に目を向けると
駐車場の先で暗渠を抜け、北西に向かって流れていく権五郎川の姿も確認できました。
館内で見た“床の線”が屋外の実際の流れと接続し、空間理解が一致する感覚がありました。
この一帯はもともと水田が広がっていた地域で、権五郎川もまた
農業を支える上で欠かせない、生活と結びついた川だったのだと思います。
施設の建設によって川そのものは見えにくくなっている一方で
あえてその存在を“見える化”して伝えている。
来館者にとっては何気ない案内かもしれませんが、土地の記憶を残す工夫でもあり
地域と一緒にモールを育てていこうとする意図が読み取れます。

地域の暮らしを支えてきたものを、見えなくして終わりにしない。
開発のなかで失われがちな“土地の背景”に目を向けるきっかけをつくっている点に、
地域に根差した施設としてのあり方の一端がにじんでいるように思いました。
須坂長野東IC付近では、イオンモールを核として各種開発が進んでおり
今後の発展が注目されます。
開発が進むエリアであるからこそ、 地域の歴史を大切にしながら賑わいをつくっていく。
イオンモール須坂は、そんな視点に気づかせてくれるスポットでした。
N.I